便秘の解消や予防に、とても大きな役割を果たす「食物繊維」。
この食物繊維には、2つの種類があることをご存知ですか?
それぞれの食物繊維がどのようなはたらきを持っているのか、また、摂取する際の注意点をお話していきます。
水溶性食物繊維
「水溶性食物繊維」とは、文字通り水に溶ける性質を持った食物繊維です。
繊維が水に溶ける、というと何だか違和感がありますが、れっきとした食物繊維です(^^)
水溶性食物繊維は、海藻類や果物に含まれています。
便秘に対しての効果としては、
- 腸内で分解されると善玉菌のエサになり、腸内環境の改善を助ける
- 腸内の有害成分を吸着し、ともに便となって排出する
- 水分を含んでいるため、便をやわらかくし、排便しやすい便をつくる
などが挙げられます。
便秘の他にも、
- 急激な血糖値の上昇を抑制し、糖尿病を予防する
- コレステロール値を正常化し、動脈硬化を予防する
といった効果もある、優れた栄養素です。
不溶性食物繊維
「不溶性食物繊維」は、これまた文字通り水に溶けない食物繊維です。
おそらく、食物繊維というと、こちらをイメージすることが多いのではないでしょうか?
不溶性食物繊維は、野菜、穀物、いも類などに含まれています。
便秘に対しての効果としては、
- 消化されないため、腸まで届き、便のカサを増やすことで排便を促す
- 水分を含むと膨らむため、大腸を刺激し、大腸の動きを活発にする
といったことが挙げられます。
便秘の他には、
- 水分を含むと膨らむことによって、満腹感を得やすくなり、食べ過ぎを防ぐ
- よく噛まないといけないため、満腹中枢を刺激することで、食べ過ぎを防ぐ
などの効果があります。
摂取する際の注意点
このように、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は、ともに便秘の解消にとても役立つ性質を持っています。
しかし、摂取がどちらかに偏ってしまうと、その効果が十分に発揮できなかったり、逆効果になることもあります。
むしろ下痢になってしまったり、かえって便秘がひどくなってしまう可能性もあるのです。
例えば、ひどい便秘の際に、水分を十分に取らないまま、不溶性食物繊維を大量に摂ってしまうと、便がさらに詰まってしまい、便秘が悪化することになりかねません。
ですから、あくまでも「バランスよく」摂取することが大切なのです。
ちなみに、推奨されている摂取量のバランスは、「水溶性食物繊維:不溶性食物繊維 = 1:2」とされています。
きっちりこの割合になるように細かく調べることまではしなくても構いませんが、意識だけはしておくといいでしょう。
ただ、どちらかというと、水溶性食物繊維を含む食材の方が少なくなりがちです。
このような場合には、サプリメントなどで補うことも、一つの手です。