「便秘に塩水が効く」という話があります。
塩水を飲むだけで便秘が解消するのであれば、簡単ですし、お金もかかりませんので、こんなにおいしい話はありませんよね。
塩水は、本当に便秘に効果があるのでしょうか?
朝1杯の塩水が効く!
この「塩水を飲んで便秘を解消する」という方法は、実は昔から言われている民間療法です。
あくまでも私の経験則ですが、先人の知恵というのは、驚くほど理に適っていて、効果がある場合が多いです。
実際、この「塩水療法」にも、効果があります。
ただし、ただ塩水を飲んでも、便秘解消に対しては、ほとんど何も変わりません。
ちゃんと効果が出る飲み方があります。
それは、「朝1杯の塩水」です。
朝、起きがけに、空腹の状態で1杯塩水を飲むのです。
これには、理屈があり、「胃-結腸反射」によるものが大きいと考えられます。
(「胃-結腸反射」については、こちらの記事(便秘解消への第一歩!「朝ごはん」から始めよう!)をご覧ください。)
「朝1杯の『水』」でも構わないのですが、塩水の方がより胃に刺激を与えることができますので、効果があるというわけです。
「朝1杯の『牛乳』」も効果がありますが、これも同様の効果と考えられます。
[参考記事] 便秘解消のための食べ物特集~牛乳~
天然塩を使いましょう!
塩水の飲み方で、もう1つ気をつけなければならないことがあります。
現在販売されている、いわゆる普通の食塩は「精製塩」と呼ばれるものです。
この精製塩は、「天然塩」から人工的にミネラル分を取り除いて、成分を一定にしています。
通常の調理などで使う際には、品質が均一の方が便利ですので、精製塩が広く普及しているのです。
しかし、便秘解消のためには、むしろそのミネラル分が効果的です。
ですから、便秘の解消効果を期待するのであれば、「天然塩」を使った方がいいでしょう。
(考えて見れば、昔の人が使っていた塩は、天然塩のはずですよね。)
さて、この天然塩に含まれるミネラルですが、便秘解消に効果的なものとして挙げられるのが、「マグネシウム」と「カリウム」です。
マグネシウムは、腸内で便に水分を与えるはたらきがあり、便をやわらかくし、排便しやすくしてくれます。
また、カリウムには、腸の動きを助ける作用があり、排便を促すはたらきをしてくれます。
ちなみに、副次的な作用ではありますが、天然塩で作った塩水は、ミネラルが入っているせいか、普通の食塩水と比べて、ややまろやかな塩味になります。
それでも、「とても美味しい!」とは言えませんが、多少は飲みやすくなる気がします。
なお、塩の量は、マグカップ1杯の水に対して、1つまみ程度が丁度いいと思います。
ご存知の通り、塩の過剰摂取は体に悪いですから、多すぎにならないように気をつけましょう。