今や、日本では普通になった「ウォシュレット」。
(ちなみに、「ウォシュレット」はTOTOの商品名で、正式には「温水洗浄便座」といいますが、この記事では広く一般に使われている「ウォシュレット」の表記で統一することにしますので、ご了解ください。)
もはや、「ウォシュレットなしの生活は考えられない!」というくらいですね。
でも、ウォシュレットのない生活が考えられない理由が、お尻の洗浄ではなく、
便秘解消のためというのなら、それはかなり問題
です。
ウォシュレットで便秘解消できるの?
確かにウォシュレットを使うと便意を催して、排便できることがあるのは事実です。
しかし、これを「便秘解消」といってしまうと、かなり語弊がありますね。
この状態では、「排便」はしているけれども、
根本的な「便秘解消」はしていません。
通常であれば、便が肛門付近に集まると、自然と便意を催し、その後に自分の意志で排便することになります。
ところが、このウォシュレットを使った方法は、外部から肛門(付近)に刺激を与えることで、強制的に便意を催させるものです。
ですから、決して自然な排便とはいえません。
ただ、便秘になると、便意を催さなくなりますので、やむを得ずこのような方法を用いているのだとは思いますが…。
とにかく、「ウォシュレットで便秘解消はできない」ということが結論になります。
「ウォシュレット依存症」
それでも、ウォシュレットを使った排便法は、急を要する場合で、かつ一時的に用いるのであれば、仕方ない面もあるかもしれません。
ですが、これがいつものこととなると、話は変わってきます。
先にもお話したように、通常は自然に便意を催すものです。
しかしながら、毎度外部から刺激を与えてしまうと、本来持っている自然に便意を催す機能が失われていきます。
そして、最終的には、「自力で排便することができない」「ウォシュレットなしには排便できない」という状態になってしまうのです。
この状態を
「ウォシュレット依存症」
と呼ぶ場合があります。
さらに、これは肛門付近の神経の問題だけにとどまりません。
胃や腸の反射運動までもが鈍ってしまい、腸を動かす神経までもを麻痺させてしまうことにもつながっていきます。
こうなると、もはや腸は排便機能不全に陥り、さらに酷い便秘に悩まされることになるのです。
ですので、もしあなたがウォシュレットを使った排便法を、日常的に用いているならば、すぐに止めるべきです。
また、すでに「ウォシュレット依存症」になっているのであれば、便秘はかなり悪化していると言えますので、早急に医師の診察を受けるようにしましょう。
何にしても、自然に備わっている機能を、安易な方法によって、なくしてしまってはいけません。
便秘の場合も、無理に解決しようとするのではなく、この元来備わっている機能をうまくはたらかせるようにすることで解決するように、心がけなければなりませんね。