朝は、何かと忙しいですね。
特に、朝が弱い人にとっては、1分でも寝る時間が惜しいですよね(私もその一人です…)。
なので、ついつい朝ごはんは二の次になってしまうことも、多いのではないでしょうか?
しかし、朝ごはんは、便秘解消にはとても重要なのです。
便意は朝が一番強くなる。でも…
朝は、腸が最も活発にはたらく時間帯です。
ということは、朝は当然便意も最も強くなる「はず」です。
今、あえて「はず」という言葉を強調したのには、理由があります。
というのは、ある条件が整わないと、便意は起こらないからです。
さて、その条件はと言うと、それは「朝ごはん」です。
「胃-結腸反射」と「大蠕動運動」
ここで、食事を摂ってから排便へとつながる、人間のしくみについてお話しましょう。
まず、食事を摂ると、胃に刺激が与えられます。
この刺激を受けて、腸では「大蠕動(だいぜんどう)運動」というものが起こります。
この大蠕動運動とは、腸にある便を直腸へと運ぶ、腸の大きな動きのことです。
そして、便が直腸まで運ばれると、直腸が刺激を受けて、便意を催すことになります。
この一連の流れのことを、「胃-結腸反射」と呼んでいます。
朝ごはんを食べないと…
腸の大蠕動運動の最も大きな動きは、朝に起こります。
さらに言うと、腸の大蠕動運動を含む「胃-結腸反射」は、1日に1~2回程度しか起こりません。
もし、朝ごはんを食べなかった場合を想定してみましょう。
朝ごはんを食べないということは、「胃-結腸反射」は起こりません。
当然ながら、腸の大蠕動運動も起きないことになります。
ですから、本来、腸の大蠕動運動が最も大きくなる朝を、有効に使っていないことになるのです。
しかも、1日に数回しかない「胃-結腸反射」の機会も、1つ無駄にしていることにもなってしまうわけです。
もう一つの「大事なこと」
朝ごはんが、排便に重要な役割を果たしていることが、お分かりいただけたと思います。
ですが、朝ごはんを食べた際に、もう一つ重要な事があります。
それは、「食後にゆっくりすること」です。
便意は、副交感神経が優位にならないと催しません。
副交感神経を優位にするためには、リラックスすることが必要です。
朝ごはんを摂ってすぐに家を出る、などということになると、副交感神経が優位になる時間がありません。
せっかく朝ごはんを食べたのに、便意を催さなくなってしまいます。
朝の排便のためには、朝の時間帯に余裕を持つことが大切なのです。
朝ごはんが便秘解消の第一歩
こうなると、やはり「早寝早起き」が、便秘にもふさわしい生活習慣だということですね。
なかなか難しいことかもしれませんが、朝に時間を作り、朝ごはんを食べることが、便秘解消への第一歩ということになりそうです。
まずは、ほんの少しからでも構わないので、朝に何かを口にすることから始めてみてはいかがでしょうか?