前回の記事で、「副作用が起こる便秘茶もある」ことや「どのような便秘茶に副作用があるのか」をお話しました。
[前回の記事] 便秘茶にも副作用があるって本当?(その1)
さらに補足したいことがありますので、今回もお話を続けてしていきたいと思います。
天然由来100%の落とし穴
よく「天然由来の原料を100%使っているので安全です!」などと謳っている商品があります。
便秘茶でも、このようなキャッチフレーズで販売されているものがありますね。
天然由来100%と言われると、不思議と安心感がでてきます。
「天然」のものは体に良さそう、という思い込みがあるのだと思います。
しかし、実際には、天然由来100%だからという理由では、安全は保証されません。
問題は、どの部分の安全なのか、ということです。
確かに、天然由来100%ならば、余計な添加物が入っていない、という意味では安全なのかもしれません。
一方で、前回の記事でお話した、便秘薬・下剤の成分を含んでいる「センナ」「キャンドルブッシュ」「アロエ」といった原料もすべて天然由来です。
したがって、重大な副作用を及ぼす可能性があるという意味においては、決して安全とはいえません。
以前の記事で、漢方薬について書いたことがあります(便秘に効く漢方薬には副作用はないの?)。
漢方薬は生薬から作られますので、同様に天然由来100%ですが、やはり重大な副作用はあるのです。
このように、天然由来100%だからといって、盲目的に安全だとは言えない、ということを頭に入れておきましょう。
キャンドルブッシュの下剤作用
以前から「センナ」は、その下剤作用の強さが指摘されていましたが、一方で、キャンドルブッシュは、センナよりも安全性が高いとされてきました。
その流れから、便秘茶には、キャンドルブッシュが配合されるケースが多くなってきたのです。
しかし、2014年1月に国民生活センターから「キャンドルブッシュを含む健康茶-下剤成分(センノシド)を含むため過剰摂取に注意-」という文書が出されるに至りました。
ここで指摘されているのは、
- キャンドルブッシュには、センナに含まれている下剤成分と同じ「センノシド」という物質が含まれていること
- キャンドルブッシュを含む健康茶の約半数が、カップに2~3杯の量を飲むことで下剤と同じくらいの「センノシド」を摂取する可能性があること
です。
これで、キャンドルブッシュは、センナと同じ種類のものであり、同様の下剤効果を持っているということが明らかになりました。
ところが、今だに「キャンドルブッシュですから、大丈夫ですよ」といった風の説明がなされて販売されている商品があるのが現状です。
このような説明に惑わされることがないよう、注意するようにしましょう。