便秘に効果があるという漢方薬が、ドラッグストアなどでも販売されています。
漢方薬というと、副作用がなくて体にやさしい、というイメージがありますよね。
さて、漢方薬は、本当に体にやさしくて、副作用はないのでしょうか?
漢方薬とは?
漢方薬といっても、「東洋の薬?」「中国四千年の歴史の薬?」というくらいの印象しか持っていないことも多いと思います。
そもそも漢方薬とは、どういったものなのでしょうか?
われわれが普通に考える薬(西洋薬)と比較する形で、誤解を恐れずものすごく大雑把に説明すると、
- 西洋薬 … 化学合成されて作られた薬
- 漢方薬 … 自然の生薬から作られた薬
ということができます。
西洋薬は「化学合成」という文字があるので、強くて効きそうですけど、何だか副作用も強そうな感じがしますよね。
一方で、漢方薬は「自然の生薬」ですから、なんとなく穏やかでやさしい雰囲気がありますね。
このあたりが、「漢方薬は、副作用がなくて体にやさしい」というイメージにつながっているのではないでしょうか?
漢方薬は体にやさしく副作用はないのか?
漢方薬は、「薬」です。
ですから、いくら「自然の生薬」からできていたとしても、やはり副作用が出る場合もありますし、体にやさしくないこともあります。
便秘に効く漢方薬について見てみましょう。
便秘に効く漢方薬には、センナ、大黄、アロエが含まれていることがあります。
これは、西洋薬の便秘薬・下剤に含まれている成分と同じです。
なので、やはり西洋薬の便秘薬・下剤と同様、飲んだ際に激しい腹痛・下痢が起こることもあります。
また、長期連用すれば、大腸メラノ―シスが起こる恐れがありますし、下剤依存症にもなります。
(大腸メラノーシスについての詳しい説明は、こちらの記事(便秘薬・下剤の乱用は、とても危険!~副作用のお話~)をご参照ください。)
このように、漢方薬の種類にもよりますが、西洋薬の便秘薬・下剤と同様の副作用を持ったものもあるのです。
さらに、漢方薬には難しい点があります。
漢方薬というのは、特定の症状を治すというよりは、体全体の調子を整えることで、結果として症状を治すという考えが根本にあります。
したがって、その作用は体全体に及ぶことになります。
ですので、漢方薬はその人の体質や体力を踏まえた上で処方されるのです。
この点を考えると、漢方薬は素人が選ぶにはとても難しい薬といえます。
漢方薬も「薬」
漢方薬は、広く市販されていて、だれでも服用することは可能です。
しかし、なんとなくのイメージだけで漢方薬を服用すると、思いもよらない副作用などが出ることもあり得るのです。
便秘に効く漢方薬も、例に漏れません。
漢方薬を使う際には、やはり「薬」ということを十分認識した上で、イメージだけで安易に服用しないように注意したいものです。