「オレイン酸」というものをご存知ですか?
脂分の一種なのですが、これが便秘解消に高い効果を持っているんです。
このオレイン酸は、どのように便秘解消に役立つのでしょうか?
オレイン酸を多く含む食べ物
まずは、オレイン酸を多く含む食べ物をご紹介しましょう。
代表的なものとしては、
- オリーブオイル
- 紅花油
- ひまわり油
- アーモンド
- ピーナッツ
などが挙げられます。
なかでも特筆すべきは、「オリーブオイル」です。
オリーブオイルのオレイン酸は、オリーブオイル含まれる脂肪酸のうちの、約70~80%を占めています。
オリーブオイルが便秘に効果があると言われるのは、このことに依ります。
オレイン酸が便秘に効くしくみ
大腸を刺激する
オレイン酸は、小腸で消化されにくい性質を持っています。
ですから、そのまま大腸まで届くことができます。
そして、大腸まで届いたオレイン酸は、大腸を刺激し、大腸のはたらきを活性化させます。
このようにして、大腸が活発にはたらくことで、便が先へ先へと動いていくようになるため、排便を促すことになるのです。
便を柔らかくする
オレイン酸には、高い乳化作用(界面活性化作用)があります。
このため、オレイン酸は、石鹸やシャンプーの原料としても使われています。
この作用が、大腸においては、便を柔らかくする作用としてはたらきます。
柔らかい便ならば、大腸の中でも動きやすいため、便秘の解消につながっていくのです。
腸壁の潤滑油になる
先程も書いたように、オレイン酸はそのまま大腸まで届きます。
ですから、脂分としての性質も持ったままです。
この性質が、腸壁の滑りをよくする「潤滑油」の役割をします。
滑りが良くなることで、便が大腸をスムーズに動くようになり、便の停滞を防いでくれるのです。
オレイン酸の便秘解消以外への効果
オレイン酸は、便秘解消に効果があるだけではありません。
その他にも、健康に貢献してくれる、さまざまな効果を持っています。
コレステロールへのはたらき
オレイン酸の健康への効果のうち、最も知られているのが、コレステロールへのはたらきです。
オレイン酸は、善玉コレステロールを減らすことなく、悪玉コレステロールを減らしてくれます。
このため、悪玉コレステロールが原因となる動脈硬化や心臓病などを予防してくれるのです。
酸化しにくい性質
オレイン酸は、酸化しにくい性質を持っています。
酸化してしまった脂質は、DNAを傷つけ、発がんなどを引き起こしますが、オレイン酸はこのようなことを予防してくれます。
また、動脈硬化にともなう心筋梗塞・脳梗塞などの予防にも役立ちます。
胃酸の分泌が少なくて済む
オレイン酸は、胃での滞在時間が短いため、胃酸を余分に分泌させないで済みます。
ですから、胃酸過多やそれに伴う胃潰瘍・十二指腸潰瘍などを予防する効果があるのです。