便秘になる人は、痔にもなってしまうことが多いです。
逆に、痔になってしまうと、さらに便秘が悪化してしまいます。
痔は切れることがありますが、便秘と痔は切っても切れない関係にあります(ちょっと、ウマいこと言いましたかね?(^^))。
便秘と痔の関係
便秘になると、便を出す際に、強くいきまなければならないことがあります。
肛門の周辺には、毛細血管が張り巡らされた粘膜があるのですが、強くいきむと、この部分に大きな力がかかります。
すると、この毛細血管が集まっている粘膜が、鬱血してしまいます。
このようにしてできてしまうのが、「いぼ痔」です。
また、便秘によって、直腸に便が滞留してしまうと、粘膜が細菌に感染しやすくなります。
その粘膜に炎症が起こってしまうと、「いぼ痔」ができることになります。
さらには、固い便を無理やり出そうとして、肛門の周辺の粘膜が傷つくことがあります。
この傷から細菌が侵入して、炎症を起こすと、やはり「いぼ痔」になります。
同様に、固い便を無理やり出そうとした際に、肛門の外壁を傷つけ、出血させてしまうことがあります。
これが、「切れ痔」です。
これらが、便秘による便が、直接的にダメージを与えることによって起こる痔です。
加えて、便秘が間接的に痔を引き起こすこともあります。
まず、便が詰まっていることで、血管が圧迫されて、肛門周辺の血流が悪くなってしまい、その結果、粘膜が鬱血して「いぼ痔」になることがあります。
さらに、便秘によって腸で発生した有害物質が、肛門周辺の粘膜の機能を悪化させることによって、「いぼ痔」ができることも考えられます。
このように、便秘は、さまざまな形で痔を引き起こす要因となるのです。
逆に、便秘による痔が、さらに便秘を悪化させることがあります。
痔になってしまうと、排便時に激痛を伴いますので、ついつい排便を我慢をしてしまったり、強くいきむことができなくなります。
そうすると、さらに便が溜まってしまうことになり、便秘が悪化してしまうのです。
このような状態になると、便秘が痔を生み、さらに、痔が便秘を悪化させる、という悪循環に陥っていくことになります。
解消法
短期的な視点では、悪循環を断ち切るために、まずは痔の治療をすることになります。
適切に膏薬などを痔に塗ることで、改善が期待できます。
また、一時的な便秘解消のために、便秘薬・下剤や浣腸などを使うこともあります。
ただし、これらの治療は、独自の判断で行わずに、医師の指示や処方を受けた上で行うようにしましょう。
しかし、長期的な視点に立つと、根本的な解決は、やはり便秘の解消にかかってきます。
食事や生活習慣などを整えて、便秘を解消していくことが必要となるのです。