便秘がひどくなると、「口からオナラや便の臭いがする」と、口臭を訴える人がいます。
ただ、この口臭が起こるしくみについては、勘違いされている方も多いようです。
便秘による口臭は、どのようにして起こるのでしょうか?
腸からガスが上がってくる?
便秘になると、腸内で臭いガスが発生します。
このガスが、口臭の原因になるのは間違いありません。
ここで、「腸と口はひとつの消化管でつながっているから、腸のガスが逆流してきて、口から臭うのだ」、と考える人がいるようですが、これは間違いです。
実際のところは、胃の入口の部分(食道との接点、噴門部といいます)には、括約筋という筋肉があり、食事をして食べ物が入ってくる時以外は、逆流を防ぐために閉じられています。
なので、理屈としては、腸のガスが、胃を通って、そのまま口まで上がってくることはないのです。
では、どうして便秘になると、口が臭うことになるのでしょうか?
口臭の原因
そのためには、まず、口臭の原因から考えてみたいと思います。
口臭の原因は、大きく分けて2つあります。
1つは、口自体の臭いによるものです。
これは、口に残った食べ物のカスの腐敗、それに伴う雑菌の繁殖、歯槽膿漏や虫歯による臭いなどが、臭いのもととなります。
これらは、歯磨きやマウスウォッシュをしたり、歯槽膿漏や虫歯の治療をすることで、解決することができます。
しかし、それでも解消できない口臭があります。
それが、もう1つの口臭の原因である、「肺からの呼気」によるものです。
肺では、呼吸によって、血液に酸素を取り入れるとともに、血液中のガス状の老廃物や有害物質の排出が行われています。
ですから、その排出された老廃物や有害物質が臭うのであれば、肺からの呼気も臭うことになり、口臭となって現れることになるのです。
腸のガスが口臭に影響するしくみ
先ほどもお話したように、便秘になると、腸で有害で臭いガスが発生します。
便秘がひどくなり、ガスが溜まり行き場がなくなると、このガスは腸から血管に取り込まれ、血液と一緒に体中に流れていきます。
このガスは有害なものですので、何とかして体外に出そうとするわけです。
この血液が、肺に巡ってくると、肺はこの有害なガスを呼気として排出します。
すると、この呼気が臭うことになりますから、口臭が生じるということになるわけです。
解決法
したがって、この口臭を解決するには、腸で有害で臭いガスを発生しないようにするしか方法はありません。
つまりは、便秘を解消することです。
これは、「ブレスケア」などといったもので、お手軽に解消できるものではありませんので、根気強く便秘の解消に努めていくことが必要です。